至兼の、メヒコに完敗(乾杯)

メキシコでの日々、身の回りに起きた色々なことを紹介し、
メキシコをより身近に感じていただければ幸いです。
どうぞよろしくおねがいします。

ー乗り物編ー で、ジャブ―

心と時間に、いつもゆとりを。

こんな言葉を胸に抱き、いつもより30分早く自宅を出発。職場へと向かう。

とある地下鉄の駅を降り、すぐのところのタクシー乗り場。あまり人は並んでいない。次から次へと矢継ぎ早に到着するタクシー。数分すぎてとうとうぼくが先頭に。

僕の後ろには誰もいない。

バックの中から飲み物を取り出して、ふと前を見ると、僕の前に男の子が一人。。。 

ん???何だこの子は?割り込みか??
 少しして、タクシーが到着。とたんに発する男の子。

「お母さん!!」

どこからともなく、鬼こん棒、、、いや、赤ちゃんと荷物を抱いたお母さん登場。。顔の迫力に自然とあとずさり。。。隙を突き即座にタクシーに乗り込む一家。呆然とタクシーを見送る日本人。。。

惨敗を喫したものの怒りを抑え、大きく深呼吸。心の乱れは、生活の乱れ。精神的な疲れを癒すため、もう一度コーラをゴクッといただく。

するとまたまたまた気配を感じる。。。今度は少女がぽつりと出現。。。

何だ??この子も割り込みか??少しして、タクシーが到着。。。今度の少女は何も言わない。。。

彼女の無言を確認し、タクシー乗車に動き出す僕を止めるプレッシャー。

ふりむくと、そこにいますは朝青龍、、、いや、赤ちゃんと、荷物を抱いた、鬼の形相お母さん。。。あまりの顔に、本気でビビる。

もちろんぼくには目もくれず、ドアを手に取り、そのまま乗車。。。呆然とタクシーを見送る日本人。。。

再び、何もできずに完敗を喫す。それでも、こんなことではへこたれない。つぎのチャンスは僕のもの。かばんから、コーラを取り出し、ゴクリと飲み干す。


飲み干し感じる、あの気配。。。こんどは、小さい少年が、僕の前に仁王立ち。イラっとするぜ、こいつの振る舞い。大人をなめると、痛い目見るぜばかやろう!!

タクシーの到着と、同時に鳴り出すサイレンと第3回乗車権争奪戦選手権大会決勝戦のプレイボール。

電光石火先手必勝。先手を取ろうとタクシーへ近づく僕を再び止めるプレッシャー。。今度こそは負けないぞ。横目でちらっと、周囲を確認。心の中で勝手に流れ出す、ダースベーダーソング。。。同時に横手から現れる、筋肉粒々、両腕タトゥーの褐色ヘラクレス。。。

どうぞどうぞ、ご乗車を。あなたの前ではコクワガタ。。。
子供がなぜか自慢げだ、、、威風堂々、タクシー出発。


2度あることは、3度ある。。。

待ってれば いつかは乗れる タクシーに。。

ー乗り物編ー どっちの電話でSHOW??

 ある日の夕方、一台のタクシーに乗り込む。
交差点の信号待ちで、異様な臭いが立ち込める。
何の匂いかわからずに、歪まるぼくの眉と表情。間髪入れず、一言運転手。
「お前はマリファナ吸うのかい??」
「え??吸いません。」
直球勝負のこのオッサン。でもなるほど、、、これがマリファナの匂いか。
この時初めて、マリファナの匂いを知る。続けてオッサン語りだす。
「昔、おいらが、小さい頃はよぉ。おいらたちは、この時間(午後7時くらい)その辺でサッカーをして遊んでたわけだ。そしたら大人たちは、そんなおいらたちを、マリファナを吸ったり、ビールを飲んで、見守ってくれてたわけだ。。静かに平和に暮らしてたんだよ。わかるだろ。若いの??マリファナっていうのは俺たちの文化なんだよ。あれはおいらたちの文化なんだよ。おいらたちの文化をなんで政府は禁止するんだ?禁止しなきゃ、人も死なないんだよ。わかるだろ??」(意訳入ってます。)
なぜか、からまれる日本人26歳。。。でも、この流れは否定できない。
無難な答えをなんとか繰り出す。
「そうですね。文化は大切ですね。。。守ったほうがいいと思いますよ。。。本当に。」
「そうだろ~~!!わかるだろ?」
 オッサンの、見えないスイッチ、ポチッとな。。。。
これから始まる、マリファナとメキシコのネバーエンディングストーリー。
最初のお題は、メキシコの麻薬戦争。その当時の大統領(カルデロンさん)の悪口を言うこと約3分。まだまだ続くよ二人を乗せたタクシーは、野を越え、山越え、谷越えて。話しは続くよどこまでも。。。
 次のお題はマリファナの基礎知識講座を約10分。マリファナの医学的効能、宗教とマリファナなどについて。。。要約すると、歯痛のときはマリファナを。腰痛、頭痛もマリファナを。どんな時でもマリファナを。。これって日本のバファリンじゃ?そんな疑問が頭を巡る。
 オッサンの、四方山話も終え、訪れる別れの時。自宅前に車を寄せ、支払いを終えると同時に一言。
「若いの。お前、ここに住んでるのか??」
そうだと答えると、白い紙に電話番号を書き出しそれを僕に手渡す。
「おいらもこの辺に住んでるんだ。必要な時に電話してくれ。。。な!!」
颯爽とタクシーは立ち去っていった。


 タクシーの宣伝か。。。マリファナの営業か。。。
 この電話番号は、、、、どっち??


ー乗り物編ー メキシコをケツで感じた夜

 バイト終わりの日曜日。初夏の小雨が降りしきる夜の街。こんな日に限って傘がない。さらに運が悪いことにタクシーも来ない。もう真夜中の12時過ぎ。どのくらい待っているかも覚えてない。さきほどまでの弱い雨も、いつのまにか大粒に。このままでは、ずぶ濡れ確率100%。タクシーの早期登場を切実に願うぼく。そんな願いもとうとう叶い、旧式タクシーのフォルクスワーゲンがハイビームで出現。こちらの愛称ボチートちゃんの旧型ビートル。早速手を挙げ、呼び止めるぼく。パッシングで合図し、僕の前でとまるボチートちゃん。なんとかタクシーを捕まえることができた。。。やっとゆっくり落ち着ける。そんな思いでドアを引き開けたその時、よぎる陽水の一節。。。。
 傘がない。。。。いや、、
 席がない。。。
どう乗るのか目をパチクリしている僕に運転手が一言。
「ここに座れるだろ??乗らねぇのか?」
「ありがとう。。。。」
 ここって、、、床???ありがとうの使い方はこれであっているのだろうか。。。とりあえず、自問自答。後ろの座席に目をやると、後部座席はボロボロで、座席の上には多数の荷物が散乱。。。たしかに、乗るところは、床しかない。このままこれに乗りこむか、雨の中再び待ち続けるか。。。損得勘定、0.5秒脳内の旅。シュミレーションでは、問題なしで帰宅できる算段に。意を決して乗り込めタクシーに。。。
 ぶっきらぼうな運転手。心なしか、僕を見る目がいやらしい気がする。車中はシャキーラのHips Don't lie が流れるのみで特に会話もなく、冷たい床がけつに染みる入る7分半の マイヒップス ドント ラァイタイム。急ブレーキをけつで耐え、トぺ(スピードを強制的に落とさせる道路上にある盛り上がり)の連続をけつで噛みしめ、道にあいた様々な穴の衝撃を、けつの穴で根こそぎ受け止めた衝撃波の連続。僕は決して忘れない。痛みに耐えてよく頑張った。
 こんなに耐えてる僕を尻目に、運転手は終始無言。そしてたまに、僕をやらしい視線で注視する。。注視の度に、はずむ僕の臀部。その視線に違和感しか覚えない。。。とにかく視線がいやらしい。。。なんなんだ、このおっさんは、、、こいつはもしや???
 そんなこんなで、自宅近くにタクシー到着。。。100ペソで代金をはらうと、眼光鋭く発する運転手の一言。
「おつりはそこの下にある。」
同時に、ぼくのけつを指さす運転手。え?けつ??もしかして、この人はゲイでぼくのケツを狙っているんじゃないだろうか、、、さっきから、ケツばっか見てたし、、、想定外の返答に脳内フル稼働で危機に備える乗客1名。そんな不安をよそに続ける運転手。
「はやく降りろ。」
運転手に命じられるまま、外に出ると、僕の座ってたマットをめくる運転手。マットの下から現れましたは、無造作に散りばめられたコインと紙幣のコレクション。そこからお釣り分を手に取り、やさしく僕に手渡す運転手。。。
「どうもありがとう。良い夜を。。。。」
おっさんダンディーーー!!最後にわかった、運転手のお人柄。。。僕のケツ狙いだと、疑ってごめんなさい。。。いかんせんぼく、、


けつの穴が小さいもので、、、