至兼の、メヒコに完敗(乾杯)

メキシコでの日々、身の回りに起きた色々なことを紹介し、
メキシコをより身近に感じていただければ幸いです。
どうぞよろしくおねがいします。

ー乗り物編ー ジェントルマンの教え

 メキシコの都市部は知らないが、メキシコの田舎に住んでいると、宗教が人々の暮らしと密接に関係しているように感じることが多い。特に日曜日のお昼には、家族みんなで教会へ行く姿や、教会でお祈りしているメキシコ人の姿をよく見かけることができる。そんなある日の日曜日。お昼のミサの時間帯、ある路線バスに乗車したときのお話。
 乗客は僕と、ジェントルマン風のおじいさんの二人。この時間はいつも乗客がいないし、交通量も極端に少ないので、個人的にはよく使う。その日も無人のバス停に、車の少ない田舎道。ノンストップで走り抜ける二人を乗せたおんぼろバス。目にも留まらぬスピードで、あっという間に目的地に到着するように思えた。 ところがやはり、ここはメキシコ。ある交差点についたとき、事件は起きた。青信号にも関わらず、おんぼろバスは、突如ストップ。ストップするなり運転手、無言でバスから飛び降りて、そのままどこかへ消えてった。数秒足らずの出来事に、頭を巡るクエッションマーク。何をしていいかわからぬこのもどかしさ。。。徐々に深まる不安感。その時気づいたある事実。そうだ。このバスにはもう一人乗客が。何が起きたか、教えをこおうとそちらに目をやる。ヘルプミーおじいさん。。。目と目があって、二つの心がつながるテレパシー。彼は頷きながら僕の心にこう語った。
 「ほっほっほっ。。。ジタバタしなさんな。(想像)」
その後、ゆっくり目を閉じて、眠りにつくご老体。寝たら何も聞けんじゃないか。。。「こ、このクソジジイ!!」何度も連呼した心の中。それでも感じた、郷に入れば郷に従え。とりあえず、納得いかないが、クソジジイを真似して、僕も目を閉じ睡眠開始。。。。
 
 それから、何分経っただろう。時計を見ると、時計の針が進むこと約15分。満面の笑みで運転手が帰還した。笑顔で席につく運転手。その右手にはコカ・コーラを掲げ、左手にはハバネロ味のポテトチップス。。
「よし、じゃあいこう!!」
ポテチ片手に、出発告げる運転手。
 気にするだけむだだった。心配なんてしちゃいかん。ジジイ、、、いや、おじいさん、、、もとい、ジェントルマンの教えの通り、寝ていてよかった15分。そのジェントルマンは、出発を確認し再度頷きながら再び眠りに入るのであった。。。ジジイと言ってごめんなさい。あなたの教えは忘れない。
 
 あせりは禁物。何があっても、不動の心で。。。BY ジェントルマン