至兼の、メヒコに完敗(乾杯)

メキシコでの日々、身の回りに起きた色々なことを紹介し、
メキシコをより身近に感じていただければ幸いです。
どうぞよろしくおねがいします。

ー乗り物編ー 早期帰国を決めた日

メキシコに来てから、2ヶ月が経過。ようやく生活にも慣れてくる。その日も、いつもの通り6時に起床。これもまたいつもの通り6時半くらいのバスに乗り、職場へ向かう。その日も日常何ら変わらない、朝から平凡な、そして淡々とした生活を送る、、、はずだった。

バスに乗り込み、数分し、最初の異変に気が付いた。その日のバスは、バスだけに、飛ばす飛ばす、ランディー・バース。いつも以上のスピードに、驚きながらも、あら不思議。通勤時間の短縮に、自然と心が踊りだす。いくつか、バス停無視をして、ノンストップで爆走する。


乗車してから数分後、となりの車線から(内側の車線)もう一台のバスが登場。。。猛烈果敢に抜きに来て、こちらのバスも負けじと応戦。2台によるストリートレーシングカーアクション。数分間の壮絶なバトルに、乗客も熱くなる、熱くなる。一人を除いて、、、(ぼくね。)

熱気が最高潮になったころ、事件が起こる。「ゴチ」っという鈍い音。直後に2台がその場に停車。第一ラウンド開始のゴング。双方まだまだ熱くない。笑いながらの口撃と、大人の余裕をみせあう紳士。でも、この人たちはしょうがない。。。この人たちは、紳士じゃない。紳士はあんまり、サッカーのユニフォームは着ない。本性隠した数十秒後に、たまらず飛び出し、ミラーを指差す。数秒間の沈黙後、第二ラウンド開始のゴング。(速っ)

2車線道路に2台のバスが、並列駐車で止まってる。場所なんてお構い無し。その場で戦うファイターと、それに群がる野次馬達。バスの後ろに迫るのは、長蛇の列の車達。やまない雨はないはずなのに、クラクションは鳴りやまない。。。メキシコの、男と男が生みだした、何にも勝るプライドと、ボロボロの、サイドミラーの弁償を、拳と拳で語らう二人。絶対に負けられない、戦いはそこにはある、、、

数分間の決闘後、我にかえった(かどうかは知らないが)二人は帰投。乗客たちの反応は、はちきれんばかりの拍手と喝采。そうして、とうとう最後には、WE ARE THE CHAMPIONSを、合唱したとか、しなかったとか。。。


(僕はこの日、早期帰国を決意した。)